7月のプチ防災「各政党の防災関連の政策」

今月7月20日は参議院選挙の投開票日です。今回の各政党の「防災に強いまちづくり」に関する政策提言を完結にまとめてみました。

※日本共産党、参政党、日本保守党などは具体的な策の提言が見つけられず、諸派政党が多く、すべてはまとめきれていません。主だってWEB上で記載のある政党に限定しておりますがご了承ください。

政党名特徴・主な方向性
自由民主党防災庁設置、国土強靱化、インフラ整備、DX推進など包括的な政策
国民民主党公共施設整備、物流網強化、インフラ耐震化、流域治水、防災支援制度導入
日本維新の会自助・共助主体の対応、技術活用によるインフラ維持、避難所環境改善
社民党防災省創設、脱原発・自然エネルギー政策と防災の融合
立憲民主党デジタル技術・制度検証重視、安全保障寄りで防災への具体言及は限定的
れいわ新選組など公共インフラ強化方針。党ごとに方向性は異なるが、防災投資重視の姿勢あり

自由民主党(自民党)

  • 防災庁の設置準備:令和8年度中に発足を目指し、平時からの備えと災害対応体制を強化
  • 国土強靱化・インフラ整備:次の5年間で約20兆円規模の事業で道路・港湾・上下水道の耐震化、流域治水、TEC‑FORCE派遣体制などを推進
  • 気候変動適応・防災DX:熱中症対策や防災アプリの強化、防災気象情報の拡充も含む

国民民主党

  • 防災拠点整備とDX推進:学校など公共施設へのエアコン、自家発電設備、防災無線、衛星インターネットによる「防災DX」を推進
  • 物流網の冗長化:災害時に重要な物流が維持できるよう、道路・鉄道の未整備区間を解消する整備
  • 上下水道の耐震化・無電柱化:老朽化する配管の更新とともに、安全性と利便性の向上を図る
  • 流域治水とグリーンインフラ:森林保全や土地利用の配慮を含めた柔軟な国土づくりを進める。
  • 命の口座制度:災害時に給付が自動振込される「プッシュ型支援」体制を整備

日本維新の会

  • コミュニティ+自助による復旧支援モデル:「和歌山モデル」や「ONENAGANO」等で地域主体の災害対応・廃棄物撤去を推進
  • 最新技術によるインフラの長寿命化:AI・ドローン・IoTを活用した老朽化対策と効率化の取り組み
  • 非常用電源の備蓄と管理推進:停電時にも対応できるよう品質管理と入れ替え支援を強化。
  • ハザードマップの精緻化と教育活用:最新知見に基づいた地図作成を教育や地域コミュニティで活用。
  • 避難所環境の改善:女性・子ども配慮、ペット同伴避難など、多様な避難者に対応できる環境づくり
  • 消防団・防災士の活性化支援:地域防災を担う人材育成と制度整備に注力

社会民主党(社民党)

  • 防災省の創設:巨大地震等への備えを強化し、防災部門に特化した組織化を主張
  • 脱原発と自然エネルギーへの転換:原発ゼロと再生可能エネルギー100%を目指す中で、防災インフラ整備を進める

立憲民主党

  • 防災DXと制度検証:混乱時にも対応できるべき防災・減災政策の検証と、デジタル技術の活用に言及(主に安全保障分野に集中)。


今回の選挙は、物価高対策や、食料安全保障、税制改革、防衛や、アメリカとの関係、外国人移民の課題などが論点となっていますが、防災の視点からも政策を見てみると、各党で特色があることがわかりました。

ぜひ皆様も参考にしていただけたらと思います。

7月のプチ防災「各政党の防災関連の政策」” に対して4件のコメントがあります。

  1. 田原潤 より:

    正確にまとめるのは大変だったと思います。お疲れ様でした。私個人はプッシュ型の支援の強化を最優先にしてほしいです。自助、共助は大切ですが、行政の支援が必要です。地方の自治体任せの部分が多いのももんだいだと思っています。イタリアのような国による支援体制がほしいです。

    1. むかい より:

      田原さん,コメントありがとうございます。ハード重視の政党、ソフトも勘案した政党など、スタンスが見えて勉強になりました。国の政策なので,プッシュ型の視点が必要だと私も思います。最近はボトム強化の流れが強いような気がしますので…

  2. 香川恭子 より:

    国の施策として取り組むべきことと、国がリードして各自治体で取り組むべきことが、この資料でわかりやすくなりました。
    予算が動くことなので、判断する側としては、そのために国は何をすべきかをキチンと理解したいですね。
    貴重な資料、ありがとうございます♪

    1. 向はるか より:

      香川さん、コメントありがとうございます!
      政策の実現可能性に合わせ、国の政策と地方の政策をかみ合わせていくことが重要になりますよね。
      地方・地域が目指すべき姿(あるいは、地方では難しいこと)を国がどれほど理解して政策に落とし込んでいただけるかという視点を持ちたいと思いました。

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