3月のプチ防災 避難所での外国人対応のあれこれ
防災士の皆様は、避難所を運営する立場としての訓練経験は何度もおありかもしれません。
そのとき、「地域に住む外国人」「偶然観光にきていた外国人」との避難生活を想像したことはありますか?
2025年1月調べで、国内の在留外国人は358万8,956人で過去最高を記録しています。
国別では、中国・ベトナム・韓国・フィリピン・ブラジルと続きます。
外国人観光客は378万1,200人で過去最高を記録しています。
国別では、韓国・中国・台湾・香港・タイ・シンガポールと続きます。
これだけ日常的に外国人の方が増えると、大災害が起きた際、避難所に外国人の方が来られる可能性も高いことがわかるかと思います。
【自主防災会の備え~外国人対応編~4選】
①必要な物資について想像しておく(できれば備蓄したい)

イスラム教の方が来られた場合、ハラルの配慮が必要なケースが想定できます。最近はハラルの備蓄食も販売してありますのでご覧ください。
他にも、女性のためのストールやお祈りするためのスペースを確保する必要があるかもしれません。
②各市町村が提示している外国人避難者対応シートの活用
https://www.city.hiroshima.lg.jp/saigaiinfo/bousai-torikumi/1021069/1013380.html
上記サイトに、広島市が外国人避難者対応シートを掲示しています。
使用する言語、アレルギーや宗教上の理由で食べられないもののチェック、体調の状況のチェックなどができる仕様になっています。
つまり、事前にこのシートをダウンロード・印刷し、避難所受付のボックスに入れておけば安心です。


③「やさしい日本語」の活用
避難所運営側に通訳が出来る方がいない場合、日本語の使い方に配慮することが求められます。
たとえば、「今日は炊き出しがあります」は日本人ならみんな意味がわかるのですが、外国人の場合はわかりません。
「きょうは、あたたかい食べ物をもらえます。お金はかかりません」といった形に言い方を工夫します。
https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/92484001.html
上は文化庁が出している「やさしい日本語ガイドブック」です。

↑参考 山梨県富士吉田市
④日頃から通訳アプリを使ってみる
iTranslateアプリを使ったことはありますでしょうか?

このアプリは優れもので以下のような特徴があります。
★100以上の言語に対応
★音声モードで会話を翻訳
★カメラモードで対象物を翻訳(物、文章)
★オフラインで使用可能
日頃から使っておくことで、有事にもスムーズに使えますね。平和公園などで旅行者とのコミュニケーションに使ってみてください。
外国人の中には、そもそも災害を経験しない国に生まれ育った人は、情報を得られたとしてもどう行動したらいいか分からないケースがあります。
避難生活の中で、盗難などが起きた時には真っ先に外国人が疑われるなど、トラブルの対象となることもあります。
2018年9月に発生した北海道胆振東部地震では未明の地震・全道でブラックアウトが起こりました。外国人を含む観光客が札幌駅や新千歳空港に滞留し、結果的に札幌市は6つの「観光客向け避難所」を開設し、3日間で計2,840人が利用しました。こうち6割以上が外国人だったといいます。また、一般の避難所(最大300か所)のうち、31か所が外国人を受け入れました。
このように、大災害が起きた際には外国人の方が避難してくる可能性があることを知り、日本人と外国人の双方が安心して過ごせるように備えておきたいですね。
我が家のご近所にも、少し前に外国人のご家族が引っ越して来られました。
ウワサによれば英国人のようです。
「グッドモーニング」
「Ohayougozaimasu」
というような挨拶を交わしますが、その発音だけでの判断では日本語が堪能とは思えません。
仮に日常会話程度の意志疎通ができたとしても、緊急時の普段使わないような言葉が通じるのかは疑問です。
通訳アプリは、テレビドラマか何かで見た記憶があります。
これを機会にインストールします。