ぼうさいこくたい2022
阪神・淡路大震災から27年が経ちました。甚大な被害が発生し、沢山の大切な命が奪われましたが、この震災は同時に、「ボランティア元年」とも呼ばれたボランティアの活躍や、行政による「公助」に加え、一人ひとりが自分の身は自分で守る「自助」、さらに地域で助け合う「共助」の重要性が認識されるなど、我が国の防災政策の大きな転換点でもありました。
近年、災害が激甚化・頻発化しており、また、南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模災害はいつ発生してもおかしくない状況です。阪神・淡路大震災をはじめ、各地で相次ぐ災害の経験と教訓を、決して「忘れることなく」、次世代に「伝え」、防災・減災にもっと「活かし」、次の災害に「備える」必要があります。国民一人ひとりが「自分も災害で危険に遭うかもしれない」と災害を「自分事」として捉え、日頃からの防災活動に取り組むことが重要となっています。
折しも2022年は「阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター」の開設20周年に当たります。同センターは、これまで、阪神・淡路大震災の経験や教訓、創造的復興の過程を発信するだけでなく、実践的な防災研究や人材育成、被災地支援など国内外の防災・減災活動の推進に貢献してきました。また、復興まちづくりのシンボルとして整備された「HAT神戸」には、同センターをはじめ、防災や人道支援等の様々な分野の専門機関・国際機関が集積しており、互いに連携しながら国際防災拠点として活動しています。
7回目を迎えるぼうさいこくたいは、この「人と防災未来センター」を中心とするHAT神戸から、「未来につなぐ災害の経験と教訓~忘れない、伝える、活かす、備える~」をテーマとして、災害の経験や教訓の伝承の重要性を再認識し、私たち一人ひとりが日頃から防災に取り組むことの大切さを訴える機会としたいと考えています。また、大会を契機に、全国の災害伝承施設のネットワークを強化していくことで、防災意識の向上、ひいては我が国全体の防災力の向上を図っていきたいと考えています。
【ぼうさいこくたい開催の背景】
平成27(2015)年3月、「第3回国連防災世界会議」で「仙台防災枠組 2015−2030」が採択されました。そこでは、自助・共助の重要性が国際的な共通認識とされ、各界各層の有識者から成る防災推進国民会議が発足しましたが、この発足を機に、内閣府、防災推進協議会とともに、国民の更なる防災意識向上を図るべく、平成28(2016)年に第1回を開催したのが始まりです。
防災に関する活動を実践する多様な団体・機関が一同に会し、取組・知見を発信・共有する日本最大級の防災イベントで、講義型セッションや来場者が楽しく学べる体験型ワークショップ、ブースでのプレゼンテーション、屋外展示等を実施し、令和4(2022)年度は第7回の開催となります。